それにレルは執事に目で何かを合図した。それに応えて出ていき、台所に続く廊下を歩きながら、
(おっかしいな、ちゃんと張ったはずなのに)
 不思議そうな表情で思っていた。

 そしてちょっとした曲がり角にさしかかる。

(ちょうどここに光るものを置いて、それに触れたら)

 カチッ

(うん?)

 びゅんっカカカッ!

「でっ!」

 その曲がり角からナイフとフォークが飛んできて寸での所で免れた。

(これは絶対ってもんじゃないからな。序の口序の口)

 それから直線を進み、

(ちょうどここには踏み板があったな。
 この真ん中を歩いていたら間違いなくバンッと顔面を・・・・って、どこだったっけ?)
 絨毯とカモフラージュしたのでやった人間さえ分からなくなっていた。

(あれぇ?)

 考えて踏み出した次の瞬間、

 ギシッ!

「うん?」

 バチンっ!

「いてっ」

 よろめいて壁にもたれかかった時、
 カチッ!

「でーっ!」

 ゴスッ!ゴッ!

「・・・・・!」

 スイッチがあり、重量感ありまくりのハンマーが降ってきた。それも二発。そして次の瞬間、

 バンッ!

 重厚なドアが思いっきり開けられた。そこには以前にアルベルトが倒した奴らの一人がいた。
 きっとハンマーが落ちたのを合図に開けるように言われていたのだろう。巧く行きはしたが、相手が違った。

「あっ!」

「何やってんだよ・・・・俺じゃないだろ」

 そういって気絶した。




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