それから車で街に下り、その店を見つける。その近くの裏手に車を止め、その店に向かうと、
(うわぁ限定言うだけあってすげぇ行列だな)
行列が出来ていた。
それから待ちに待って手に入れ、
(買った買った、さて帰ると)
裏手に止めた車のドアを開けたした時、後ろからつかまれ、ハンカチで口を押さえられてスッと意識を失った。
執事室――――
(遅いですね)
そのまま執事室で仕事をしていたアルベルトは向かいにある時計を見る。
ディスはまだ帰ってこない。行列とは言っても、こんなに時間はかからないだろう。
午後のお茶になっても戻ってこない。
「どうしたのかな。それぐらい待たないとだめな所だったのかな」
日が暮れても戻ってこないので、さすがのリィも不安の色が色濃く増す。
それにアルベルトが、
「申し訳ございません。私がお使いを頼んでしまいまして。きっとそれで遅くなっているんだと思われます」
謝る。明らかに嘘だが、嘘も時として安心させる材料となる。
「え、そうなの」
「申し訳ございません」
「いいって、それがディスのお仕事のうちなんだから」
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