それからと言うものはこう言った事に誘われる事が多くなった。そして今回の日曜日は土曜の夕方から入ってのパーティに出席
となった。あの件以降、警備が強化され、本日の唐竹の護衛はナシ。
終わった後、あてがわれたホテルの一室のベッドにドカッと座り、
(足いってぇ)
戻るや否や窮屈な靴を脱ぎ、しばらくふくらはぎを揉んでいると、コンコンとノックされたので慌てて履き戻し、
「はいはーい」
ドアを開けると、そこに一がいた。
「お邪魔だったかな」
「いいえ、どうぞ」
それから一はその部屋からルームサービスを頼み、その間他愛のない話をし、それはルームサービスが来て
ものを置いていっても続き、
「遼子さん」
「はい?」
「君は銃の扱いとかはどうなの?」
「え」
「突拍子な事を聞いて済まない。気になったものだからつい」
「あたしは全然ですよ」
「用心用は?」
「いいえ。それも怖くって」
「そうですか。でもそれでいいかもしれませんね」
「え」
「使えもしないのにそれに似合わない銃は」
眼が据わり、
「持つべきものじゃない」
手を差し伸べる。
「?」
「出してもらおうか。ミリィ・ジョーカーを。フランク・ジョーカーと対なる兄さんの銃の片割れを」
「な、何、その」
「知らないとは言わせない。君のカバンの中に入っているはずだ。あった時にしたんだ。兄さんのにおいが」
その頃――――
「なんて鼻だよ」
唐竹と、
「犬の嗅覚並みですね」
沢村。ホテルの裏側に止めた車内で話を聞いていた。
「さぁ渡せ。その銃は僕にこそふさわしい」
『・・・・坊や、絶対に利き腕だけは撃たれないようにしてね。撃たれてしまったらあたしはどうする事も出来ないの』
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